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アルダのダ~2ndシーズン~

駄文を連ねることしかできない

星の鼓動と天使の歌 BanG Dream!における戸山香澄の星の鼓動とは何か

こんにちは。

星の鼓動と共に生を受け
胎教としてきらきら星を聴き続けた
生粋のバンドリーマー就活生
東京大学Bang Dream!同好会(2015年設立)
初代代表のアルダです。

現在、テレビアニメが大好評放送中のBang Dream!(以下バンドリ)
本日、アプリ・バンドリ!ガールズバンドパーティー!も公開され、留まることを知らない人気コンテンツへの道を駆け上がっています。
今日は、そんなバンドリの記念すべき日を記事で応援しようと思います。

星の鼓動

「星の鼓動」はアニメ版バンドリで戸山香澄がことあるごとに連呼したり、『STAR BEAT ホシノコドウ(以下、STAR BEAT)』という曲名になっていたり、バンドリ、特にPoppin' Partyの物語では根幹を為す言葉です。

この言葉は戸山香澄の音楽への憧れのきっかけとなる経験に繋がっています。戸山香澄は家族と行ったキャンプで、一面の星空に包まれ星の鼓動を聞きました。この経験が前述した『STAR BEAT』中の歌詞「記憶の底 小さな声」に当たると考えられます。

ここで彼女が聞いた星の鼓動とは、一体なんなのか。本記事ではこの謎に挑んでいこうと思います。

神秘体験としての星の鼓動

より詳しい星の鼓動についての叙述として、小説版バンドリの香澄の星の鼓動体験の記述を見ていきます。

 

 (アニメよりはわかりやすいし、面白いので買ってね)

ここでの戸山香澄による星の鼓動体験の記述はどこか神秘体験を思わせるものになっています。一面の星に包まれた瞬間に感じる、光が胸に満ちていく感覚、夜空と一体になった感覚、そのまま浮遊するような感覚。神秘主義文献を紐解くと出てくる表現の類型が勢揃いです。

その体験の後に感じた「トクン、トクン」という音。これを戸山香澄は「星のコドウ」ととらえます。その直前に足を絡めてしまい転んでいることから、おそらく香澄の心音を自己と一致した星の鼓動と捉えたと考えられます。

 

香澄はそれを、星のコドウだと思った。星たちが瞬くときに鳴る天上のコドウが聞こえる」(中村航BanG Dream! バンドリ』P.20)

ここで星の鼓動が天上の鼓動と捉えられていることに着目します。この直後に「世界の秘密」を知った気がすると言っていることから、単なる音楽以上に意味を持ったものと考えられます。

星の鼓動と天使の歌

ここで、惹起されるのが西洋古代における音楽に関する捉え方です。古代ギリシアピュタゴラスプラトン以来、音楽とは私たちの耳に入ってくる感覚的な事象を意味する以前に、宇宙の調和(ハーモニー)を表すものでした。宇宙の数学的構造に関わるものであり、天体がその回転と共に奏でる音。それが音楽の第一の意義であり、我々の耳に入る音楽はその一段下の肉体的なものに過ぎないと考えられていました。中世になると天体を回す役割が天使の役割と認識されたことから、天使の歌、天使の音楽として表現されるようになります。

戸山香澄の話に戻ると、彼女は星の鼓動と星の回転は強く関連付けられています。(彼女の言う星の回転は自分が転んだことに起因するめまいによるものですが)

これらのことから、彼女の述べる「星のコドウ」は西洋古代における宇宙の調和を意味する音楽や中世における天使の歌と地続きであると考えられるでしょう。

 

戸山香澄のBanG Dream!

戸山香澄は一人では星の鼓動を奏でることはできませんでした。

Poppin' Party のメンバーが全員揃って初めて『STAR BEAT ホシノコドウ』を演奏できました。一人で神秘体験を用いて星の鼓動を経験することは可能ですが、その経験を人に伝えていくこと、より共有可能な形で提供することは、他者との関わりが不可欠です。このことは、キリスト教修道会が孤独な隠修よりも、修道院という共住形態を取った一因でもあるでしょう。戸山香澄とPoppin' Partyのメンバーとの出会いにはそんな意味があったのかもしれません。求めるものが違うグループと出会ったときに彼女の星の鼓動はどんな姿を見せていくのかも楽しみになります。

ともかく、彼女の星の鼓動を追い求める試みはまだまだ続いていくでしょう。目指すものが究極の音楽と言ってもいいものだけに、その道はとんでもなく遠いものであるかもしれません。

それでも、青春のパワーと音楽が大好きという気持ちを原動力に、戸山香澄は向こう見ずに飛び出していきます。

さあ、飛び出そう!

 明日のドア ノックして

 解き放つ 無敵で最強の歌を!

 In the name of BanG Dream!

参考にした本

 天使の歌のくだり

この本内の三章「歌え 奏でよ」