歩道橋
歩道橋は舞台装置としてとても優秀だ。
一線を越えることも表現できるし、越えられず戻ってしまうことも出来る。そのどちらを選んだかの対比としても優秀だろう。
踏切や横断歩道でも同じ効果は得られるとは思うが、ボクはとにかく歩道橋でのシーンに印象深いものが多い。
妹ちょ1話の憑依シーンとか、この美のシーンとか、先週の青ブタなんかも良かった。
とにかく、ボクの好きな越境舞台装置は、この歩道橋に尽きるのだろう。
理由については、落ちて死ねる、もしくは首を吊って死ねるからだと思っている。とにかく、ボクは飛び降りと首吊りへの憧れがかなり強い。逆に電車や車への飛び込み、服毒、練炭なんかには一切の憧れがない。
とにかく重力に殺されたいのだ。
ボクらは常に彼に縛られている。
宇宙空間に行かない限りは、逃れることのできない鎖だ。
それが生じる理由もただ、地球が大きいからという訳の分からない理由だし、この世の中で理不尽な鎖トップ3に入ると思う。もう2つは時間とエネルギー。全部一緒か。
とにかく縛られているものを使って、解放されることこそなによりの復讐になるとボクは思う。鎖を首に巻け。そのまま締めろ。束縛は自由の手段へと変換すべきだ。
そういうわけで、ボクは越境の舞台として歩道橋が好きだ。青春の甘酸っぱい恋愛の舞台として、将来の選択の岐路として、なにより生から死へと越境する場として。