山崎はるかさんの楽曲が大嫌いという話
こんにちは。
人生はどうにもならないかもしれないけれど、
ヘラヘラ笑って明日も生きていくしかボクには選択肢がない。
アルダと言います。
前回、冬コミに出した山崎はるかさんの楽曲レビューを投稿しましたが、
何か違和感を感じませんでしたでしょうか。
そう。技術的な感想のみに終始していて、楽曲自体の物語性や、
山崎はるかさんのアーティストイメージについて全く触れていません。
これは何故かと言うと、彼女の楽曲のメッセージや、アーティストとしての方向性についての感情が整理がまだついていないと言う理由が大きいです。
そんな状態で残るものを形することや、
ボクのことを知らない人に語ることはできないと思いました。
声優を語ることは、自分を語ることでもあります。体と顔の話は除きますが。
ただ、ある程度見える形にしないと、いつまでも整理がつかないので、
彼女のミニアルバムが出る夏を目の前に、ボクのことを少しは知っている人しか読まないであろうブログに記していきたいと思います。
未整理の感情があるため、乱文になるかと思いますが、ご容赦頂けますと幸いでございます。
ただ、全曲について語り始めると際限無く続いてしまい、
みなさんの時間を無駄にしてしまうかと思うので、
今回は、一曲のみに絞ってお話したいと思います。
その話したい楽曲は『金曜日のBambi』と言う楽曲です。
『金曜日のBambi』は、山崎はるかさんのファーストシングル、『ゼンゼントモダチ』のカップリング曲です。
進学や就職を機に新しい世界に飛び出す人への応援ソングです。
Aメロの歌い出しの激しさを抑えた声や、サビの跳ねるようなメロディ進行など、
聞きどころの多い名曲なので、まだ聞いたことないオタクは全員聞いてください。
そんな楽曲が発表された時、ボクはまさしく就職をしたため、
歌詞の状況に非常に近く、私信に近い曲として位置付けていました。
ただ、どうしても彼女が語る言葉に納得ができずにいました。
まけるなBambi Girl その胸をアツくする未来
顔をあげて 記念すべき一歩目
就職したボクの記念すべき一歩目ですが、既に負けていました。
兼ねてから希望していた音楽や書籍といった物語に関わる企業にはことごとく落ちてしまい、
なんとなく説明会で立ち寄った、成り行きで選考を進んでいた企業に、なんとなく就職してしまった。
そんな状況であり、全く未来に期待を持てず、ひたすらに少女週末旅行の「絶望と仲良くなったんだよ」という状態を身につけるため、100回はアニメの該当回をリピート再生し、10000回は単行本の該当話を再読しました。この結果、ボクの家にはアニメの公式設定集が鎮座しております。たまに、ちくわとか、供えてる。
初めてがいっぱい(めくるめく) 飛び出す好奇心(自由すぎ)
わくわくおいかけていたら 週末には迷子になってる
迷子になっていたのは終末の世界の中でした。
週末になるまでおいかけていたのは、声優のケツぐらいなもんです。
奇を好む心はかなり強い方なのですが、
ローマ時代の銭湯には富士山の代わりに性力を増強させるための呪いのために異常に陰茎をデカく描かれた黒人が描かれていたこととか、好む奇がニッチすぎます。全てを理科し納得して生きているので、それぐらいしかこの世界に奇が残っていない。
改札を抜けて暮れた途方 夢行きの電車は何番線だ?
満員電車に飛び乗る。
満員電車に飛び乗ってはいましたが、考えることは自死のみでした。つり革を見てはひたすら絞首を検討する日々です。ある日、もう一秒も耐えなくなり、その場でベルトを外し、つり革にかけてそこに首を括ろうとしましたが、ベルトをつり革にかけた時点で、あまりに高すぎるため、満員電車では実行は困難であるという結論に達しました。
なんでその時に周りのことを気にせず、実行していなかったか、今でも後悔しています。
人間が死ねるチャンスは本当に短い。時期を逃さないように気をつけましょう。
何番線だって時期が来れば、あの世ぐらいにはいつだって連れていってくれます。
ダイヤスケジュールは死神管理。
がんばれ Bambi Girl まだ未来は始まったばかりさ
きっときっとありえないことが待ってる
胸いっぱい 吸い込む風 飛べる予感がした
もっともっと自分を信じてみて Fly Day! Fly Day!
飛べる予感は常にしていました。
金曜の仕事終わりには、ビル街に出かけて飛ぶのに手頃なビルを探していました。今でもそのリストは手元にあります。誰か買ってください。
元気にやっているよ (そっちはどう?)
まあまあかな… いろいろあるよね
涙がちょっと(じわり)にじんだ(しょっぱいな)
ひとり(ポツン)はじめてかも
この楽曲のネガティブポイントです。この歌詞について山崎はるかさんも凹みがちだった時期があったと述懐しています。
ただ、ボクはここにもどうしようもない違和感を感じていました。
ボクは楽曲をアーティストとの対話だと考えています。作詞や作曲をしたのは歌唱者とは違う場合もありますが、イメージとしてアーティストのメッセージとして受け取り、それに生を通して答えています。届いているかな。届いているといいな。君の元へ。
ここで、ボクは彼女からの対話が途絶えている感覚を持ってしまいました。
ネガティブな感情を「いろいろある」で終わらせてしまうこと。それは個々の状況に鑑みると倫理的なことではあります。それぞれの苦境があり、それぞれは理解不能である。だから、それは個々の苦しみに個々の形があることを認識していること。それが最大の他者の苦境に対する倫理的な姿勢だとボクは思っています。
ただ、アーティストが倫理的な姿勢を保つべきかどうかには、ボクはまだロマンを捨てきれていません。やっぱりアーティストには倫理を超えて欲しいと思うし、音楽は人間を救うと信じたいという気持ちが少しは残っています。まあ、過去であるか幻想であるかのどちらかであることでロマンはロマン足り得るのですが…
対話とは正しいことをそのまま伝えた時点で終わりです。「1足す1は?」に「2」で答えたらそれで終了なように。ボクはこの質問をされた時には、「久しぶりに晴れたから、やっとおろすことができた新品の靴」と答えています。その心は、始まりと始まりの間には奇跡のように見えて、実は論理的な帰結を導ける飛躍があるということです。
わらってBambi Girl その笑顔は誰かの太陽
ぜったいぜったい めぐりめぐり夢を照らす
せいいっぱい走ったから 悔しくて当然
かっこつけず 心を開きたいな
もしかして、この曲は普遍的な応援ソングではなくて、彼女への応援ソングなのでは?
そんな疑いが晴れることなく続きます。そうだよな。どう考えても照らしているのは山崎はるかさんだしな。せいいっぱい走ったから悔しくて当然なのも彼女だし、かっこつけず心を開けるのも彼女です。山崎はるかさん、結婚してください。
ムリしても 叶えたいコトもあるし
自分のことをもっと好きに…(なりたい)
なれない。ただそれだけです。
夢をかなえる その時まで 心配かけるね。
うるさい。黙ってほしい。
遠い 遠い キミに届くといいな。
頼むから、それ以上、歌わないでくれ。
真剣に心情を吐露しているかのような自然な発声。
山崎はるかさんの良さをすごくよく理解している歌詞とメロディ。それを深くかつ自分のものとして理解し、表現している歌唱。
そして、何より、山崎はるかさんが、山本メーコさんが、伊藤"三代"タカシさんが、この楽曲に関わる全ての人が、夢を叶える途上にいる人間を真剣に考えていたということ。
それが、この曲がまだボクにとっての希望になりうると思ってしまうから。
がんばれ Bambi Girl まだ未来は始まったばかりさ
まだ、絶望するには早すぎると思ってしまうから。
きっときっとありえないことが待ってる
思いもよらない形で幸福になる道があると信じてしまうから。
胸いっぱい吸い込む風 飛べる予感がした
些細で退屈な日常が期待に満ちたものに見えてしまうから。
苦しさがそれを越えた楽しさへの準備に変わってしまうから。
もっともっと 自分を信じてみて Fly Day! Fly Day!
どうしようもない自分を少しでも信じてしまうから。
ああ、だから、ボクは。
この曲が大嫌いなのです。